子供の読書量が気になる方で
- 小学生の読書量は平均どれくらいか知りたい
- 読書量が多い子は賢くなるのか
- 子供の読書量を増やす方法はないのか
という疑問を持っている方に向けて、下記の内容でお話します。
記事内容
我が子はどちらかというと本が好きです。そこでふと、ほかの小学生ってどれくらい月に本を読んでいるのだろうと疑問がわきました。また、読書と学力向上についてよく議論されているけれど、実際のところどのような効果があるのだろう?と疑問もわき、調べてみましたので、その結果をお伝えしたいと思います。
小学生の読書量はどれくらいなのか
小学生の読書量を調査した「全国学校図書館協議会(各都道府県の学校図書館研究団体と協力して学校図書の充実と子供たちの読書を振興するための団体)」と「毎日新聞社」が調査したデータをまずご紹介します。
2019年5月に「全国学校図書協議会」が1か月に読んだ読書量を3416人(小学生4~6年生)に調査したところ、平均11.3冊とわかりました。そして不読者(0冊)は6.8%(3416×6.8%=232.2人)という結果が公表されています。
【参考サイト】>>全国学校図書館協議会|調査・研究|「学校読書調査」の結果
※「全国学校図書館協議会」のデータは文部科学省も参考にしています。
その他に、「学研教育総合研究所」でも2019年8月に調査されていますが、そちらは小学生1200人(1学年男女各200人×6年)を調査したところ、1か月に読む本の冊数は平均3.1冊ということがわかりました。
学年別は下記のとおりです。
- 小学1年生 3.8冊(男子3.9冊、女子3.7冊)
- 小学2年生 3.7冊(男子2.9冊、女子4.4冊)
- 小学3年生 3.5冊(男子3.0冊、女子3.9冊)
- 小学4年生 3.0冊(男子2.7冊、女子3.2冊)
- 小学5年生 2.3冊(男子2.1冊、女子2.5冊)
- 小学6年生 2.4冊(男子2.1冊、女子2.7冊)
※小学4年生~6年生の平均を出してみると2.6冊となります。
【参考サイト】>>小学生白書Web版 学研教育総合研究所|学研
2か所のデータでは調査対象者の環境や選定方法にもよるのかもしれませんが、冊数の平均値に差があります。ただし、どちらも小学生の調査結果というのは事実です。
どの数値を参考に、我が子の読書数と比較するべきか迷いますが、もうひとつ面白いデータをご紹介しましょう。
調査の詳細は不明ですがプレジデント社が現役東大生に小学校時代の読書量を調査したところ、月7.4冊読んでいたというデータもあります。
【参考サイト】東大生に共通する「幼少期の本の読み方」。思考力を鍛える読書法があるって本当?
あなたはどのデータの平均を参考にしますか?
次に「本をたくさん読むから賢くなるのか。それとも賢いから本をたくさん読むのか」また、「賢くなるのであれば、読書をすることでどのような効果が出て賢くなるのか」という点について、調べた結果をお伝えします。
読書量が多い子は賢くなるのか
教育環境設定コンサルタントの松永暢史さんによると
「勉強ができる子だから、本を読む」
そう思っていませんか?実はそうではなくて、これは逆で、
「本を読んで理解することが出来るから、勉強ができる」のです。
と、書籍「将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!(すばる舎)」の中で話されています。さらに、
読み聞かせをスタートとして、本の世界に入っていくことで、語彙力から文章理解力、思考力、集中力、表現力など学力向上に欠かせない力が養われていきます。
とし、小さいころから本を読むことを推奨しています。
これは果たして本当なのか科学的な根拠がほしくデータを探してみました。
東北大学加齢医学研究所の研究チームによると、4歳~18歳の子供に「読解力テスト」を行ったところ、「本をたくさん読んでいる子供たちほど成績が高かった。」と結果を公表しています。そしてさらに3年後にも同じようにテストを実施したところ、「本をたくさん読んでいる子供は「読解力テスト」の伸びがよかった。」という結果も公表しています。
そして子供たちの脳をMRIで分析したところ、読書をしている子供の脳は、神経線維ネットワークの結束力が強く、「神経回路の発達も大きい。」ということがわかりました。
参考記事:>>読書が子どもの脳を育てる|脳のはなし|Active Brain CLUB
つまり読書をすることで脳の神経回路が発達し、成績があがる=賢くなるということです。
子供の読書量を増やす方法3つ
学力が読書量と関係があると知ると、子供にはなるべく本を読んでほしいと思いますよね。そして自分の参考にする平均値以上に増やすにはどうしたらよいのか気になるところだと思います。
そこで様々な書籍や記事などから厳選した「子供の読書量を増やすための方法」を3つご紹介します。
1.読み聞かせをする
もともと読まない子供に読ませようと思っても自ら増やすのは困難でしょう。
ですから、親が一緒に読む、読み聞かせをすることで読書量を増やしてみましょう。
これはとくに低学年のお子様に有効な方法です。
子供もお母さんに読んでもらえるなら嬉しく思い楽しく読めます。
もちろん中学年、いや東大生のお母さまで中学2年生までされたという方もいるぐらいですから、高学年でもぜひ読み聞かせをして読書量を増やしてみましょう。
また、読んだ後に親子で本の内容を語り合うことで思考力が養われそうですよ。
2.読んだら〇〇をする
本を読んだら読書記録を書く、読んだらごほうびシール貼るなど、読むことで子供にとって魅力のある行動ができるということで、読む量を増やしてみましょう。
とくに読書記録というのは、フィンランドメソッドと言われフィンランドの国語教育の中核とし、読書量を増やすために重要なものとしています。
読書記録に関しては、別記事で詳しく書いています。
>>【読書ノートの作り方(書き方)】読書習慣は子供の学力向上に関係がある!?というのは本当なのか(読書習慣のつけ方)」
3.シリーズものを読む
シリーズものを読むことで読書量を増やしましょう。
これは現役東大生にプレジデント社が調査した「東大生が小学生時代に読んでいた本」でも紹介されていますが、 「かいけつゾロリ」「ハリーポッター」「ズッコケ三人組」などのシリーズものは、一冊読むと次へ次へと気になり読みたくなるため、読書量がおのずと増えることにつながります。
一度本にはまるという感覚を味わうことで、また別のものも読みたくなり、読書習慣が身につくきっかけにもなります。
▼我が子がおすすめする本をまとめました。
>>これらの方法で本当に読書量が増えるのか
さて3つ方法をご紹介しましたが、我が子もこの方法を取り入れています。
現在小学2年生ですが、月に30冊は読んでおります。
(どのデータの平均値よりも上です)
そしてこれらの方法で読書習慣がつき、毎日読書しております。
さらに学力の方ですが、今のところ成績に関して親が悩むことはありません。
読書量を増やす=とにかく親子で本を手にする
今回は小学生の読書量についてお話してきました。
「読書をとおして学力をあげたい。賢くなってほしい。」と考えているのであれば、できるだけ本を身近においてください。
お子さんと書店に行ったり、図書館に出かけてみたりなど、行動あるのみです!
一冊の本がこれから先の未来につながるきっかけとなりますように。
そして親子で楽しい読書をしてくださいね。