「子供が読書をすると学力があがるの?」「子供が読書習慣をつけるにはどうしたらいいの?」とか「無料の読書ノートはないかな?」と考えている方に向けて、下記のとおりお話いたします。
※この記事は2020/01/24の記事をアップデートしたものです。
A5サイズの読書手帳に冊数が自分で記入できるテンプレートを追加しました。
はじめに
「読書で子供の学力は上がる。」「読書習慣が身についている子は勉強が得意。」など、学力に読書が関係することを耳にすると、我が子にも『読書習慣』を身につけさせた方がよいと思いますよね。
私もその一人です。
しかし、「本当に読書をすることで、子供の学力は向上するのかな?」とか、「読書習慣を身につけさせる方法なんてあるのかな?」と、色々と疑問もわきませんか?
そこで、私自身がその疑問を解消するために調べたことや、結果を踏まえ我が家で取り組んでいることを、今回はお伝えしたいと思います。
※どのように読書量を増やしたらよいのかは、「小学生の読書量はどれくらい?多い子は賢いのか【読書量を増やす方法3つ】 」をご覧ください。
読書がもたらす様々な効果(メリット)とは
子供が読書をする効果・メリットとしてよく聞くのが、学力向上です。
この疑問に関してまずは調べましたので、ご覧ください。
読書は学力向上に影響があるのか
Active Brain CLUBが出している記事で、読書習慣と子どもの学力向上の関係性について、「2016年東北大学加齢医学研究所の竹内光博士と川島隆太博士らの研究チーム」によって、「読書習慣で子供の脳が活性化され、さらに脳の神経回路も強化していることを発表した。」と読みました。
この調査では4歳から18歳の子供を対象に、読解力テストを実施したところ、「本をたくさん読んでいる子供たちほど成績が高かった。」という結果出たそうです。また、3年後にも同じようにテストを実施したところ、「本をたくさん読んでいる子供は「読解力テスト」の伸びがよかった。」という結果もでていました。
さらに、子供たちの脳をMRIで分析したところ、読書をしている子供の脳は、神経線維ネットワークの結束力が強く、「神経回路の発達も大きい。」ということがわかったそうです。
参考記事:読書が子どもの脳を育てる|脳のはなし|Active Brain CLUB
Active Brain CLUBは、株式会社NeUが運営しています。(NeUは、東北大学+日立ハイテクノロジーズによる脳科学カンパニーです。)
また、仙台市と東北大学加齢医学研究所チームが出している『学習意欲の科学的研究に関するプロジェクトリーフレット集』によると、小学生(小5・6年生)の場合、「読書時間が長い子供は、4教科の平均偏差値が高くなっている。」ことが記されています。(中学生の結果も出ていましたが、中学生は睡眠時間を削って読書をしている子供がおり、4教科の成績が低くなっている傾向にありました。)
このようなことから、私は「読書は学力向上に関係がある。」と判断することにしました。では、学力を向上させるためには、家庭でどのように読書習慣をつけたらよいのでしょうか?
そこで、我が家で実践した方法を2つご紹介いたします。
読書習慣の理想の姿
読書習慣を身につける具体的な方法をお話するまえに、皆さんが理想とする子供の読書習慣の様子を思い浮かべてください。
「親が進めなくとも、子供がひとりで本を読んでいる。」
理想の姿は、このような姿ではありませんか?(私はこの姿を目標にしました。)
次に、読書習慣という言葉に目を向けてみましょう。読書習慣とは、お風呂に入る習慣、歯を磨く習慣、顔を洗う習慣など1日の中でする習慣と同じように、「本を読むことが1日の中で習慣(繰り返し行うことできまりとなったこと)となっている状態。」のことです。
そしてこの1日のおける習慣というのは、およそいつするのかが決まっています。
(寝る前にお風呂に入る、ご飯を食べたら歯を磨く、朝起きたら顔を洗うなど。)
ですから、読書習慣を身につけるには同じように、1日の中でいつするのかというのを決める必要があるのではないかと、私は考えました。
ここで気になった点があります。
それは、理想の姿と読書習慣の状態は、少し違う気がすること。私が考えた理想と言うのは、決まった時間に読書をするのではなく、子供が自ら遊びなどと同じで、読みたくなり読書をしている姿なのです。
しかし、いきなり理想の姿にもっていくのではなく、まずは1日の決まった時間に本を読むことを目指しました。
読書習慣を身につける方法
では、具体的に我が家で行った方法を2つご紹介します。
読み聞かせで読書習慣を身につける
読み聞かせの方法は、我が家で読書習慣を身につける上で、一番効果が出た方法です。
1歳の頃から寝る前に毎日3冊の絵本を読み続けました。寝る前ですから、お昼寝のときも読みました。とにかく寝る前に必ず読みました。
幼児期に?うちの子供、小学生だから、中学生だから遅いよ。参考にならない。なんて声が出そうですね。いえいえ、まだ遅くないと思います。「何を根拠に!?」とさらに声が聞こえそうですね。なぜなら、子供と一緒に本を読むことで、親である私が、読書をすることが習慣となり、さらにはふと気が付くと本を読んでいるのです。
ですから、お子さんに読書習慣を身につけさせたいと思うのでしたら、あきらめないで取り組んでみませんか?
お子さんが低学年の場合は、まだ読み聞かせの方法が使えると思います。なぜなら小学生(低学年)の我が子は、「今日はお母さんが読んで。」と、本の読み聞かせを希望することがあるからです。
もし、お子さんが中学年・高学年の場合は、親と一緒に寝ていない子が多い、読み聞かせを嫌がることがあり、この方法が行えないかもしれませんね。
もし、読み聞かせをトライしてみるようであれば、無理強いはせず、子供が興味を持つような本を、リビングなどで子供が寝る前に親が声に出して読んでみるのもいいかもしれません。または、親が読み聞かせをしてもらうというのも、よい手かもしれません。
参考書籍:「本の読み方」で学力は決まる (青春新書インテリジェンス)
読書ノートで読書習慣を身につける
我が家では読み聞かせの他に、読書ノートを活用する方法も取り入れています。
この方法は、小学校や図書館なども行っている方法ですが、読書した本のタイトルを書いたり、本の面白かった度数を記録したりします。さらに、読んだ冊数が一目でわかる読書メーターや、目標冊数を達成すると認定証がもらえるなどの工夫がされている学校や、図書館もあります。ですから、子供たちは自分の目標を達成するために本を読むようになるのです。
この方法ですと、読むことではなく「ごほうびのため」になってしまい、結局は身につかないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、この方法はとても効果があるそうで、世界の中でも学習到達度が高い国、とくに「読解力」は非常に高いといわれているフィンランドでも取り入れられている方法です。
フィンランドメッソドと言われる一つの方法なのですが、フィンランドでは国語の副教材として読書日記と呼ばれる読書ノートを取り入れ、子供たちに読書習慣を身につけさせているそうです。
※フィンランドメソッドとは「国語教育」を中核として考え、発想力、論理力、表現力、批判的思考力、コミュニケーション力という5つの項目を重視している教育法です。
参考書籍:小学生100冊読書日記―フィンランド・メソッドで本が好きになる
フィンランドメッソドの読書ノートには、日本にはない工夫がされているので、少しご紹介します。
日本でよく見る読書ノートは、本のタイトル、著者、読んだ日、感想などの欄がありますが、フィンランドメッソドの欄には、表紙シールが貼れるようになっています。表紙シールはどの本を読んだのか、目で明確にわかるという利点もありますが、シールは子供たちが大好きなものです。そのため、シールをどんどん貼りたくなり、読書をすすんでするるようになります。そして、繰り返すうちに読書習慣が身についていくというのです。
いかがでしょう。この方法であれば、低学年のお子さんでも取り入れられるのではないでしょうか。シールに興味がなければ、シールを別のものに変えてもよいかもしれません。
何かすることを習慣という状態にするには、毎日行っても、およそ3か月かかると言われています。それまでの期間限定で「シール(ごほうび)」を決められ、取り入れてみるのもいいかもしれません。
読書ノートのご紹介
さて、上記で読書ノートを作る方法をとりあげましたが、実際にどのような読書ノートを使ったらよいのでしょう。
おすすめ読書ノート
いくつかおすすめの読書ノートをご紹介しますので、参考にしてください。
- 読書しょうかいノート(学研ステイフル )
教育専門家の石田 勝紀さんが、監修している読書ノートです。子供が楽しく取り組めるだけでなく、「伝える力」「表現力」がつくように工夫された読書ノートです。 -
小学生100冊読書日記―フィンランド・メソッドで本が好きになる
上記でご紹介したフィンランド・メソッドを採用している読書日記です。
表紙シールがついているので、シールを貼ることで読書習慣が自然とつくようになります。目標100冊!と目標が明確になっているもいいです。また文章もたくさん書く必要がないため、子供が続けやすいでしょう。 - ムーミン100冊読書ノート
大きさは少し小さめの文庫サイズ。本と一緒に本棚に入れて置けますね。
中はシンプルで上半分にタイトル、著者、出版社、読了日、評価の欄があり、下半分は方眼紙になっています。ムーミンのイラストがついていてとってもかわいらしい読書ノートです。
自作の読書ノート
まずはお試しで読書ノートをつけたい方に、無料のテンプレートを3種類用意しました。それぞれPDFデータをダウンロードしてお使いください。
※データをご活用される場合、下記の注意事項も、あわせてお読みください。
当ブログ内にある無料プリントについて(ダウンロード・印刷する場合の注意事項)
1.幼児から小学生が楽しく取り組むための読書ノート
こちらはフィンランドメッソドを意識して作成した読書ノートです。子供が4・5歳でひらがなが少し書けるようになったころに作りました。
A4サイズに2冊記入できるようになっています。
記入欄について
項目は以下のとおりです。
- 題名
- 日付
- 作者
- 面白度
- 表紙シール
- 簡単な感想
項目が多い気もしましたが、基本的には題名、日付、シールだけで、あとは「書きたいときは書いて、書きたくないときは書かなくてもいいよ。」と伝え、自由に使ってもらいました。
白い枠について
表紙の写真やシールを貼る欄になっています。表紙写真を貼っておくと一目でわかるので良いと思いますが、表紙シールではなく、別のごほうびシールを貼る欄、スタンプを押す欄として使ってもよいと思います。
我が家も最初は、表紙シールを作っていましたが、スタンプが子供のブームになったときがあり、スタンプを押しているときもあります。
また、ある程度続いてくると、家にあるごほうびシールで済ますことも多かったです。
本の表紙シールの作り方
表紙シールも自分で作成しましたので、作り方をご説明します。
- 本の表紙をスマホやデジカメで撮る、またはスキャンする。
- プリンタでL判に4枚並ぶように、印刷をする。
- はさみで切り取り、シール欄にのりで貼る。
手間はかかるかもしれませんが、子供と一緒にすると、ちょっとした工作時間ができ、楽しい時間を過ごせます。
無料テンプレートをダウンロードする
2色用意しました。下記のタイトル又は画像をクリック(タップ)すると、PDFファイルが開きます。ダウンロード後、印刷をしていただきご活用ください。
2.子供から大人まで活用できる読書ノート(手帳型)
A5サイズの手帳型で、記入欄が少ないのが特徴です。
50冊分が記入できるようになっています。
記入欄について
項目は以下のとおりです。
- 題名
- 日付
- 作者
- 評価(☆を塗りつぶすようになっています)
- 感想(欄がせまいため、一言で記入します)
感想は本当に少しだけです。どんな本だったか、簡単に書く程度です。
読書手帳の作り方
データは、A4サイズで作成してありますが、折って使用するので、手帳はA5サイズとなります。
- 両面印刷で印刷します。
- 用紙を真ん中で折ります。
- ホチキスでとめます。
印刷するときに気を付ける点は、両面印刷の綴じる方向を「短辺」にしておくことです。プリンタのメーカーによって設定に違いがありますので、ご使用プリンタの説明書をご覧いただき印刷してください。
印刷した1ページ目の表面
1ページ目の裏面
まとめて真ん中でおり、ホチキスでとめます。
折ったことで、A5サイズの読書手帳の完成です。
無料テンプレートをダウンロードする
50冊までの冊数表示があるものと、冊数を自分で記入するもの(50冊分)を用意しました。色は全部で4種類です。
お好きなテンプレートのタイトル、画像をクリック(タップ)していただきご活用ください。
3.小学生の読書感想文に使える読書ノート
1枚に1冊の本について、詳しく感想がかけるようになっています。
特に面白かった本を書き留めておけば、読書感想文を書く際に活用できます。
記入欄について
項目は以下のとおりです。
- 題名
- 作者
- 日付
- 面白かったところ(3箇所)
読んだ本の山場となるところを、3か所ピックアップします。 - 感想・PR欄
もし他の人にすすめるとしたらどう伝えるのか、簡単でよいので、PR文章を作ります。
無料テンプレートをダウンロードする
2色用意しました。お好きな色のタイトル、画像をクリック(タップ)していただき、ご活用ください。
読書習慣を身につけた先は『本好きな子』に成長
これまで、読書習慣を身につけるために調べたことや、我が家の取り組んだ方法をご紹介しました。各家庭の環境が違うため、同じようにはいかないかもしれませんが、少しでも参考になればと思います。
読書は学力向上にはかかせないことは確かなようです。我が家も子供の学力向上を意識して、読書習慣が身につくように取り組んできました。その結果、読書習慣もでき、理想であげたような、「親が進めなくとも、子供がひとりで本を読んでいる。」姿を見ることが出来ています。そして、学力の方は、今のところ特に問題ないようです。
最後に、一つお伝えしたいことがあります。
今回は学力と読書習慣についての関係性をテーマとして、読書習慣のつけ方をお話しました。しかし、私は学力のためだけに、子供に読書をすすめたいわけではありませんし、自分の子供にも学力のためだけに、読み聞かせをしたわけではありません。
物語などの世界を自分の中で楽しんでほしい。新しい知識を得た時のワクワクした気持ちを、本を通して知ってほしかったのです。
本を読むと読んだ人にしかわからない感情が生まれますよね。やみくもに「学力のため!」と子供に読書を習慣させるのではなく、読書の世界を子供に楽しんでもらいたいと思っています。