子供と一緒に家庭学習

小学生の子供の自宅学習を応援!

「麹町中学校の型破り校長 非常識な教え」(SB新書)から学ぶ、自立ではなく自律した子供を育てるには!?

麹町中学校の型破り校長「非常識な教え」工藤勇一

前から非常に興味・関心があった「麹町中学校の工藤雄一校長」。

 

校長先生が、保護者向けに書かれた本が出ているということで、どんなことを書いているのか、どんなことを実際に行っているのかが気になり読んでみました。

 

自律した子供に育てるために、親が出来ることとは?

タイトルで工藤校長を「型破り校長」という言葉で紹介していますが、読み進めるにつれ、私の工藤校長の印象は「子供の気持ちを考え、子どもが持つ本来の力を出すために、何が一番重要なのかといつも考えて、教育に取り組んでいる方なのだな。」となりました。

 

本の内容としては、「勉強について」、「心の教育とは」、「みんな仲良くが本当によいことか」、そして「自律のために親ができることは何か」ということが書かれています。気づかれた方もいると思いますが、普通、じりつは「自立」と書きますよね。しかし、工藤校長は「自律」としています。

この自律というのが何を指しているかと言うと、子どもたちには「自ら考え、自ら判断し、自ら決定し、自ら行動する資質」を身につけせていく必要があり、それらを「自律」としています。

 

そして、書籍には、基本的には子供本来の力を出すため、自律するために今まで、そして今、取り組んでいる学校の教育内容が書かれています。

 

勉強に関して

勉強についての章ではこんなお話が書かれています。

宿題・定期テストの廃止をされたことが有名だと思いますが、なぜ宿題や定期テストをなくしたのか、なくすことでどんな効果がうまれるのか、そして学びの本質とは一体何なのかということが、詳しく書かれています。

 

「確かに」と思うところがたくさん出てきて、これからの小学校・中学校にこのように変化をしていってほしいなという面が多々ありました。

 

また、子どもに接する先生がどうあるとよいのか。例えば麹町中学校では担任制を廃止しているのですが、そうしたことで先生・子供両方によい効果がもたらされているということが書かれています。

 

親ができること

親ができることとして、細かな内容が例にあげられており、わかりやすく、自分の中にスーッとはいってくるように書かれていました。

例えば「部屋の片づけに口を出すとどうなるのか」や「ゲームに没頭しているのは大丈夫なのか?」など、校長先生の考えがかかれています。これもまた「確かに。そう考えていいかも。」と親もどこかで気づいているのですが、改めて校長先生の本を読むことで、納得することもできました。

 

例えば部屋の片づけでは、それが正解!ということが書かれているわけではないのですが、校長先生の経験を元に、ゆるやかな対応の方が、子どもの自律につながる可能性があるのでは?と、子どもに怒りながら「片付け」をすることの意味を、読み手に問いかけるように書かれていました。

 

自律した子供を育てるには変化が必要

麹町中学校では「自律した子供を育てること」を目標に、今までの学校教育の在り方に疑問を感じ、取り組みを変えられています。

 

実は子ども本来の自律を邪魔していると気づいていながらも、これが公立の教育の常識だからとでもいうように、習慣のように行ってきた今までの学校教育。

疑問に感じたとしても、だれも破ることのなかったことを、工藤校長がやってのけておられるのだなと思いました。

 

麹町中学だけでなく、全国の学校が常に時代の変化や子供の成長を考えて、教育改革をすすめてほしいと思いました。

 

確かに国の対策である新学習指導要領として、教科などで取り組み、対応している部分もありますが、さらに地域ごと、学校ごとに改革することも必要なのでは?と感じました。

 

もちろん、親も学校やそのほかの教育関係者に一方的に頼るということではなく、家庭でも、子どもの自律・成長を考えて取り組む必要もあるなと感じました。

 

そして命の危険がない限り、子供の考え・行動を大人の力でコントロールしてはいけない。それが、この本を読んでみた私の感想です。