今日ご紹介する読み聞かせの本は、福音館書店から出ている、「月刊たくさんのふしぎ」の2018年6月号『10才のころ、ぼくは考えた。』です。
「月刊たくさんのふしぎ」は対象が小学3年生となっているのですが、2018年の6月号をみかけたときは我が子は年長でした。
しかし、私が立ち読みをして、子供には早いかもしれない、けれどどうしても手にしておきたかったの作品だったため購入しました。
哲学とは?が感じられる児童書
このお話は、筆者である下西風澄さんが、子供のころに考えていたことを話しながら、子供に「わたしとは。」ということを考えさせる哲学的な絵本となっています。
お話は、子供の頃に石を見ることが大好きで、たさくんの石を集めていた筆者が、石への思いや石の生と死について考えるところから始まります。
そして身近な人の死や、自然の摂理などについて考え、「わたしとは一体何なのか?」ということを、自分に問いかけてるという展開となっています。
話がすすむにつれて、自分の中に秘めている熱い筆者の思いを感じ取り、そして読んでいる私たちの心も熱くなります。
また、絵本はイラストではなく、写真が添えられています。
石の写真、植物に草原、そして森。そこに住む小鳥や虫たち。そんな写真が言葉ひとつひとつを心に深く感じさせる上で、非常に重要な役割をもっています。
文章と写真が一緒になっているからこそ、感じ取れる何かがあります。
小さな子供でも哲学の何かを感じ取れる本
年長だったので、まだ早いとは思ったのですが、子どもから読んでと言われ、何度も一緒に読んでいます。
自分は石のことが好きだけれど、石が自分をどうおもっているのだろう。石っていきているのかな?そんな「なぜ」から、自分について考えていく展開は、不思議な世界へと連れていかれるような気持になり、読んでいる大人方が心を揺さぶられます。
はたして子供はどんな思いでこのお話を聞いているのか、気になるところではありますが、読んでいる親の私が色々考えさせられることもあってか、この作品に関しては、子供に感想をあまり聞かないでおいた方がよい気がしています。
こころにどう響いているのか、どんな考えが生まれているのかは、わかりませんが、これから子供が成長するときに、その都度読んでほしい。
また、自分について考えるときがくるかもしれない。そしてふと考えてほしいときがあるかもしれない。そんなときに手にしてほしい本だなと思いました。
大人の方にも「自分」について考えていただく、おすすめの絵本となっておりますので、よかったら手にしてみてください。
きっと心に何か残り、自分そして家族、さらに他人についても考えるのではないかと思います。